新潟造船自転車部活動日誌

三井E&Sグループ、新潟造船株式会社の自転車部のブログです。自転車部を通して、会社の発展に貢献していきます。自転車部社員絶賛募集中です。

新潟造船自転車部の活動を綴っていきます

2019ツールド福島第四戦「裏磐梯スカイバレーヒルクライムステージ」参戦記

渡邊です。

9/8の日曜日に、福島県耶麻郡北塩原村で行われたツールド福島第四戦「第14回裏磐梯カイバレーヒルクライム」に夫婦で出場してきました。今回は旅行とレースレポートをお届けします。

 

今年所属している実業団チームの運営母体が開催している「ツールド福島」シリーズの第四戦になります。総合優勝者は100万円の賞金、と第三戦の時に書いていたシリーズの第4戦です。自分が比較的得意な分野である「ヒルクライム」と言う山を登るレースにであり、シリーズ戦の中で2戦がヒルクライムステージです。

 

今回は猪苗代湖から磐梯山の裏側と言うか北側にある「檜原湖」の湖周道路から、山形県への県境の峠を登る「スカイバレー」と言う山岳道路を使用してのレース。 

三浦から380km、本日は朝早くより出発です。遠くに行くので今回はちゃんと観光もしたい。まずは東北自動車道を北進します、朝食は自分で作ったおにぎり。途中那須高原サービスエリアで売っている「がんこじじいの牛乳」と言うのが妻が好きなので小休憩。土地柄牧場が多いのでおいしい牛乳が飲めるのは良いですね。

 

磐越自動車道に入り、猪苗代湖インターで降ります。猪苗代湖は妻が特に興味が無いというので一路檜原湖へ向かいます。

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素晴らしい天気と磐梯山です。

檜原湖ではまず昼食にこのあたりで有名なラーメン「喜多方ラーメン」を。

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湖畔の食堂にて。

あっさり醤油のちぢれ麺が美味しいですね、昼食をとっているとモーターボートが凄い勢いで発進していきます、かなりのスピードです。今回遊覧船に乗るつもりでしたが、これをみて妻が「乗りたい!」と。遊覧船乗り場に行くと、なんとモーターボート遊覧もありました。5名迄で5500円据え置きという事で、2人だと割高ですがせっかくなので6500円のちょっと長いコースにして出発です。

 

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なんかすごく速そうなんですが…。

スタートからめちゃくちゃ速い!時速40km以上出てます。後ろで立って良いという事で立つと風が涼しい!コーナーも結構激しく振ってくれるのでGが楽しい。まるで競艇のようです。磐梯山は裏から見ると本当に噴火で大穴が開いた荒れた様子が良くわかります。こんなロケーションの中、こんなアクティビティがあるとは思ってもおらず、二人で大喜びでした。

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大興奮のスピード感でした。

その後は「五色沼」と言う噴火で出来た湖沼をめぐる散策コースをハイキングです。自然道なので歩きづらくいい運動です。熊が良く出るそうで、至る所に注意看板と熊鈴の貸し出しが有ります。猿もいました。アルミニウムが溶け出していて青く見える「青沼」等、様々な池や沼を見ながら自然の中をしばしハイキングです。しかし、標高800m付近と言うこともあり、山の中は涼しい。東北の秋は一足早くやってきています。 

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自然道の中をしばしハイキングです。

ハイキングを楽しみ、今度は自転車でコースを試走します。開催場所となる会場に隣接する宿を取ったので帰ったらすぐに温泉にも入れます。檜原湖周遊の道は木陰で涼しく、アップダウンのある小気味よい道です。

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湖畔の気持ちの良い道です。

途中から山形県への登坂路となり、いきなり斜度がきつくなります。後半の7kmが本格的な登りとなり、平均勾配は8%と言ったところでしょうか、もの凄くきついです。実はここ、箱根駅伝で有名なチームがこぞって合宿をする場所だそうです。箱根に近い感覚で、涼しく、交通量が無いためだそうな。

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1400m登って檜原湖を望みます。

頂上付近は少し平らになり、標高は1400mを超えます。勝負所は前半の緩い部分でいかに足を使わず前にいるか、急坂の序盤でリズムを乱さすトップ集団でいけるか、最後の300mくらいの緩い区間でいかに最後まで出し切れるか。

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頂上は山形県都の県境。

今回もアスリートクラスと言う、最上位クラスです。選手もハイレベルですので、最高の出来で入賞、普段通りなら8~10位といったところでしょうか。実は木曜日に仕事の疲れからぎっくり腰を再発し、金曜日はまともに歩けませんでした。整骨院でマッサージを受け、今日は少し良くなりましたが歩くのも痛い状態。今日の試走は本当にゆるく、明日も体調次第では不出場もあり得ます。

宿に戻り、温泉に浸かり、妻と一緒にマッサージを受けます。ここのマッサージの方がとてもうまく、なんと腰の痛みが違和感ないくらいまで回復しました。明日は何とか走れそうです。

夕食はバイキング形式で、地元の料理の数々。レースで体重が気になりますが、普段一生懸命働いたお金での旅行も兼ねているのでしっかり食べます。ヒルクライムレースをやられる方の中には、夜も朝もほとんど食べないという方もいますが、私はしっかり食べて、ちゃんと入賞がポリシーです。 

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しっかりご飯で回復します。

朝は5時に起きました。温泉で目を覚まします。本日出場するであろう選手と思われる方もちらほら。ローラー台をセットし、少し回してから朝食を取ります。朝食もご飯大盛りを食べ、エネルギーは余りあるくらいです。30分ばかりアップをし、スタート地点に並びます。腰は昨日よりさらに良く、がぜんやる気が出てきました。チームメイトと健闘を誓い、7:50にいよいよスタートです。

 

今回はチームメイト5名が出場しており、チーム戦の作戦は決まっています。タイムトライアル等の平坦が強い選手がおり、序盤の平坦区間を捨て身で一人で先頭で走ってもらいます。その後ろに山岳エースで去年優勝の選手、3番手に同じく山岳が強い大学生の選手、現在のコースレコードホルダー御年50歳越え、4番手に私、5番手は他のチームにとられましたが、6番手に同チームのスピードスケート国体選手が付けて、ライバルを近づけさせない徹底的なチームラインを組みます。

 

昨日別の場所で開催されたタイムトライアルレースで優勝しただけあり、平坦はとにかく速い。40km以上で走り続けるので、後ろから選手が出てくることが出来ません。登りが始まる6km少しの区間をしっかり前で走り切り、クライマー班の我々にバトンタッチです。 

 

まずレコードホルダーのチームメイトが攻めていきます。後ろには今年の山岳エース。その後ろに私と、もう一人と4人で隊列を組み登り始めます。急坂が早速始まり、レコードホルダーと山岳エースがペースを上げていきます。第三戦で優勝した選手に後ろにつかせないようにうまくブロックし、行かせないようにしながら追走します。しかしペースが速い!ここで3~6位と前がばらけます。すでに隊列はバラバラで序盤のペースがいかに早かったか。ほどなく今回2位になった選手がアタックします。その前に山岳エースは単独でさらにペースを上げ、2位~3位を引き離しにかかってました。ここで自分を含む4~6位のパックとなりますが、チームメイトがさらにアタック。他のチームを消耗させます。1km程度登ったところでチームメイトは疲弊し、吸収します。

 

ここで4位~5位を私ともう一人で争います。後ろとはかなり差が開きました。デッドヒートを繰り返していると、息を吹き返した第三戦で私より速かった選手が今回も後半猛チャージしてきます、まさかこの距離を詰められるとは。どうやらもう一人の後半型の選手に引っ張ってきてもらったようだ。ここで4位~7位集団となり、後ろは見えず、4人での死闘となる。心拍は常に190を超えており、流石に43歳を迎える体で若い人の相手をするのはつらくなってきた。3~4年前のように自分が現役最強の時であれば、と思うがやれる限りはやり続けたい、その為にも負けたくはない。その気持ちで奮闘するも、一人遅れ始める。まずい、とにかく今は少し回復出来るペースにして、後半の平坦部分スプリントで追いつけるくらいの差をキープしなければ。

残り2kmを残すところで6位の選手を視界にとらえながら、これ以上離されないようにペースを維持する。4位~5位の選手はそのまた少し先に抜けたようだ。

残りが1kmとなり、前の選手が後ろを気にし始めた。どうやら彼も限界のようでペースアップが出来ない様だ。こうなれば心理的にはこちらが有利。前を見てる間に少しペースを上げ、後ろを見てるときは大人しくし、少しづつ縮めながら相手を油断させる、かつ自分も最後のペースアップが出来るギリギリで走る。

いよいよ緩くなるあたりまで来た、前との差は50m程だろうか。相手がペースを上げる前に一気に追いつく。後ろを振り返り、向こうもペースアップ。しかし普段から限界の限界から、さらにもがくと言うヒルクライマーが普段やらない練習を取り入れているので、スプリントではクライマーには負けない。一気に横に並ぶ。このままじりじりと出ては目標にされるので、横に並び相手が伸び切る所まで横で合わせる。

相手のスピードが頭打ちになった、この間の一瞬を付き、シフトアップ、さらにもがく!心拍は200を超える、もがく事数秒、4~5秒程度、これが限界だ。後ろを振り向くと彼はがっくりと頭を下げ、シートに座りあきらめた。この瞬間6位入賞を確信し、ゴールまで最後は今まで登ってきたペースを維持し、フィニッシュした。

ゴールでは水や食料が振舞われる。優勝は山岳エースの若手、新たにコースレコード樹立となった。3位もチームメイト、自分が6位、9位にもチームメイト。そして妻も女子クラス3位とツアーポイントを5人も獲得できたことが大きい。

頂上で今回先頭を引いてくれたチームメイトの健闘や、コースレコードを讃え合う。先ほどまでデッドヒートを繰り広げた方ともお互い讃え合う、レースをやってきてよかった、楽しかったと思う一時。

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今回参加したチームメイトと。

表彰式会場に戻り、表彰を受ける。お土産にたくさんの副賞もいただきました。頑張ったご褒美みたいで嬉しいですね。

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妻が3位、私は6位です。

高原トウモロコシが美味しいという事で10本も買い込んだ。レース後は地元みそを使ったトン汁が振舞われ、塩分補給。熱くなった体にかき氷等を食べ、閉会となり、レースは終了した。

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レース後はお腹がすきます。

帰りにマッサージ師に教えてもらった美味しい喜多方ラーメンの店でとてもおいしいラーメンを食べた。お腹が空いていたので妻もペロリと完食。

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来夢「らいむ」さんの喜多方ラーメンめちゃうまでした!

その後はこれまた教えて頂いた蔵元を訪ね、お土産の日本酒を購入。飲むのが楽しみです。新潟も福島も日本酒が本当においしい!

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金賞受賞だそうです!

そして台風15号が迫りくる中、あとの予定はキャンセルし、急ぎ家まで走る。せっかく遠くまで旅行を兼ねてきたのに少し残念ではありましたが、レースに旅行に楽しめました。 

みなさんも自然の中、サイクリングしませんか?自転車がある旅っていいものですよ。

 

無事に帰宅し、台風に備えて買い物とスーパーに寄るとほとんど売り切れ。やはりみんな同じ考えですね。大人しく家であるもので食事を作り、暴風に驚きながら就寝。夜中に目が覚めて雨雲レーダーを見ると三浦市がすっぽりと台風の目に入っている映像だったので思わず保存。今回の台風で多くの被害が出ることなど、この時はまだ嵐の中知る由もありませんでした。

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恐ろしい台風でした。