新潟造船自転車部活動日誌

三井E&Sグループ、新潟造船株式会社の自転車部のブログです。自転車部を通して、会社の発展に貢献していきます。自転車部社員絶賛募集中です。

新潟造船自転車部の活動を綴っていきます

第9回 JBCF タイムトライアルチャンピオンシップ(台風の為大会中止)

渡邊です。

 

7/28の日曜日は、「実業団タイムトライアルチャンピオンシップ」が行われる予定でした。しかし、なんと金曜日に日本列島直近で台風となった台風6号の影響を受け、中止となってしまいました…。

 

大会が行われる「渡良瀬遊水地」は栃木県にある「谷中湖」を含む巨大な湖です。過去に大被害をもたらした「カスリーン台風」の被害を受け、国が利根川水系の治水の為に整備した巨大なため池です。その周遊道路は普段は一般開放されており、散歩、サイクリング、ランニング等や、水鳥の観察、マリンレジャー等を楽しむ方に公園として親しまれています。

 

当然、台風の為のため池である本開催場です。台風が接近し、予想雨量を鑑みるに、水位の上昇による被害想定の基準から、金曜日の時点で中止が発表されました。しかしながら日曜日は台風などなかったかのように昼から快晴、開催を予定されていた午前は雨でしたが、雨量は大したことが無く、開催できたのではないかと悔やまれますが、それはたまたまそうであっただけで、私たちの業務もそうであるように「危険であるなら行わない」これに根差した安全配慮に異議を申すつもりもありません、ただただ残念です。

この大会は「タイムトライアルバイク」と言う、「ロードレーサー」の中でも特殊なバイクを使用します。タイムトライアル競技と言うのは、決められた距離、今開催では5.4kmを走り、速かった順に優勝となります。ロードレースと違うのは「個人競技」であることです。一人の力で独走し、タイムを争います。ゆえに最大の敵は空気抵抗となります。

 

自転車において、速度の二乗に比例して空気抵抗は増大します。10km/hであればそよでも、50km/hとなれば巨大な風圧となって選手の前を阻みます。車の窓から手を出してみると良く分かりますね。

 

ゆえに、空気抵抗をいかに減らすかが最大のポイントとなります。タイムトライアル競技においては、ロードレースと明確なルールの差があり。個人競技である為に、特別な装置の使用許可がありますので、ルール内において最大限利用します。

 

1.DHバーと呼ばれるエクステンションバーの使用。

角のように突き出たハンドルとは違う棒を持つことで姿勢を低くすることが出来ます。

この棒には変速機能を取り付ける事は出来ますが、ブレーキは付けられない為、ロードレースでは使用禁止です、ブレーキはハンドル部につきますが、咄嗟には使用できない為ですね。

 

2.ディスクホイール、及びフロントのバトンホイール

一枚の板状になったホイールを「ディスクホイール」、フロントのスポークの代わりにカーボンの羽でつないだホイールを「バトンホイール」と呼びます。

ディスクホイールは板である為に空気抵抗を受け流すことが出来る為、非常に有利です。またバトンホイールも、スポークによる空気抵抗が少なくなる為に有利となります。共に横風においては煽られ、危ないためにロードレースでは使用を禁止されています。

 

3.エアロヘルメット及びタイムトライアルスーツ、シューズカバー

映画「エイリアン」のエイリアンのような形をしたヘルメット、エアロヘルメットです。空気抵抗を受け流す形状の為、特殊な形状をしております。中には耳まで覆う物もある為、ロードレースにおいては音が聞こえづらくなる為使用できません。タイムトライアルスーツは体にぴったりとフィットする超ピチピチな素材で出来ており、ばたつかない為、空気抵抗に非常に有効です。また、シューズの凹凸を無くし、空気の流れを整える為、シューズにもカバーを履きます。

 

4.タイムトライアルバイク

ロードレーサーと違い、タイムトライアルの為につくられた自転車です。前傾したポジションを取る事が容易になります。しかし直進性が強く、乗り心地も悪いため、ロードレーサーと違い、万能に使う事は出来ません。トライアスロン等に使われるバイクもこちらに部類に入ります。

 

妻においては昨年度は病気の為出場できませんでしたが、1昨年度は女子総合2位と言う快挙を達成した大会。これにおいて女子の全日本選手権の出場資格も得たこともあり、今大会も目標のレースとしておりました。今大会を有終の美で飾り、今後は妊活に入る為、一度選手を引退する、そんな気持ちで挑む大会でしたがとても残念な中止となりました…。

 

妻は将来必ず復帰し、また自転車競技を行いたいと普段から話している為、いつかまた実業団タイムトライアルで優勝する事を目標に、生き甲斐として自転車競技を続けて行ってもらいたいと思うと同時に、それを支えるのも夫の仕事と思っています。

 

大会は中止になりましたが、過去に妻が優勝した利根川タイムトライアル選手権の時の写真と、一昨年2位になった実業団タイムトライアルチャンピオンシップの写真をご紹介いたします。おまけに自分が過去に出場した時の写真も載せておきますので、ご参考にしてください。

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利根川タイムトライアル優勝時

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実業団タイムトライアルチャンピオンシップ時

 

上記2枚は使用バイクが異なります。妻は身長154cmしかない為、一般的なタイムトライアルバイクのサイズが無く、使用できない為に小さいサイズのロードレーサーのフレームを使用しておる為、他の選手に比べて不利となっています。

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左の2位の選手が妻です。

今回こそ真ん中に立つつもりでしたが…、しかし楽しみが増えたという事にしましょう。

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渡邊が出場した時のバイクです。

これは借りものですがタイムトライアルバイクを使用しています。当時はディスクホイールや、バトンホイールが無かった為に、50mmの高さのカーボンホイールを使用しています。タイムトライアルスーツも無いので空気抵抗を受ける通常のジャージの為、ばたついています。またタイムトライアルヘルメットではなく、エアロ風のヘルメットの為、装備は不完全です。しかしながらも、これで14kmの距離をアベレージ40km/hで走りました。ちょっとした車のように走れるのがタイムトライアルバイクの魅力です。

 

それでは。